わたしだけがきっとわかってる、支えてあげたい
初めて、
やっと、
恋ばなを語る。
■ケース1
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転職して心機一転。
ハルは、前職でもいくつか恋はしたけど、ちゃんとした付き合いはなかった。
社会人前に別れた元カレを引きずってた。
フリーで臨んだ新天地。
のちに上司になる人の面接があったから転職を決意。入社。その人の優秀さ、スマートさに惹かれた。
始めは上司と部下だった。仲間でもあった。
タイプじゃなかった。
でも仕事の姿はかっこよく見えた。
たくさん飲みに誘ってくれた。
学びばかりの飲みが楽しかった。
関係値を進めることにも、恋愛関係になることもお互い関心がなかった。
仕事が楽しくて充実していて何も焦ってなかった。
季節が変わると、それぞれしんどい時期もあった。
2人には共有点があった。
ーーー脆さ。
寂しい、わかってほしい、頑張ってる、褒めてほしい、たまには休息したい。
お互いの隙間を埋める、ちょうどいい心地の良い関係性、距離感だった。
でもそれは恋愛感情ではない。わかってた。
それなのに。
羽目を外した。
弱さを真正面に感じて、愛おしく感じた。
「わたしだけがわかってあげられる」
「支えてあげたい」
この気持ちこそがほんとうのハルの弱さだった。
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